補助金の不採択から、もう一度。運営: 合同会社エリサ(認定経営革新等支援機関)

ホーム / 記事一覧 / 制度別ガイド

ものづくり補助金で不採択だった申請書を見直す順番公募要領の審査項目・減点・不採択条件から

制度別ガイドものづくり補助金

ものづくり補助金の第23次公募要領に書かれた審査項目、加点・減点、不採択になる条件を、不採択だった申請書を見直す順番に並べ直しました。形式の確認から内容の点検、口頭審査の注意まで、次の公募に向けた手順がわかります。

この記事は誰のためか、読むと何がわかるか

ものづくり補助金(ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金)で不採択になり、次の公募に申請し直すかどうかを考えている方に向けた記事です。

読むと、次のことがわかります。

  • 公募要領に書かれた審査項目・加点・減点・不採択の条件の全体像
  • それらを、不採択だった申請書を見直す「順番」に並べ直したもの
  • 申請書を書き直す前に確かめておくべき点

前提として、ものづくり補助金は不採択の理由を教えてくれません。第23次公募要領は、採択結果の理由開示と異議申立てを受け付けないと明記しています。だからこそ、公募要領の記載を手がかりに、自分で点検する必要があります。

数字で見る現状:直近2回は応募の3分の1強が採択

公式に公表されている直近2回の結果は次のとおりです。

公募回応募件数採択件数採択率公表
第22次(締切2026年1月30日)1,552582約37.5%2026年4月30日
第23次(締切2026年5月8日)1,275448約35.1%2026年8月7日

第23次の枠別では、製品・サービス高付加価値化枠が1,169件中418件(約35.8%)、グローバル枠が106件中30件(約28.3%)でした。第22次・第23次とも、応募のおよそ6割以上が不採択だったことになります。

採択結果のページには、審査の講評や不採択の傾向は書かれていません。また、公式のよくあるご質問(2025年4月21日版)は、過去に不採択でも次の公募に申請できるとしています。

見直しの順番:形式 → 減点 → 内容 → 加点 → 口頭審査

公募要領の記載には、評点に関係なく不採択になる「形式・資格」の条件と、評点を左右する「内容」の項目があります。前者は一つでも当てはまると内容を見てもらえないので、先に確かめます。

ステップ1:対象外に当たっていないか(審査項目1「適格性」)

審査項目1は「補助事業の適格性」です。対象者・対象事業・対象要件を満たさない場合は、審査の対象外になります。

公募要領は、該当すると判断されれば不採択になる例を挙げています。

  • 補助対象外の事業:公募要領の目的に沿わない事業、課題解決の中心部分を外注して企画だけを行う事業、実質的に労働を伴わない・資産運用的な事業、購入した設備を第三者に長期間貸す事業
  • 補助対象外の事業者:たとえば、締切から16か月以内に新事業進出補助金・事業再構築補助金で採択された者や、締切の時点でそれらの交付決定を受けて事業を実施中の者

前回の申請後に、ほかの補助金で採択されていないかも確かめてください。

ステップ2:書類の不備がないか

公募要領は、内容が公募要領に沿わない場合や、提出書類に不備・不足がある場合は審査の対象にならず不採択になるとしています。提出書類は所定のファイル名・PDF形式で、所定の箇所にアップロードすることが求められています。

ステップ3:申請者自身が申請しているか

申請は申請者自身が行うことが求められています。正当な理由なく申請者自身による申請と認められない場合は不採択です。虚偽の申告や、加点の虚偽も不採択や採択取消の対象になります。

ステップ4:減点に当たらないか

公募要領は、次の場合を減点としています(要約)。

  1. 過去3年間に、ものづくり補助金の交付決定を1回受けている
  2. 過去の交付決定後に、基本要件(賃金の増加、最低賃金の水準)を達成できなかった
  3. 賃上げの加点で採択されたのに、加点の要件を達成できなかった(報告から18か月間、他の補助金の申請でも大幅に減点)
  4. 事業再構築・新事業進出・ものづくりの直近の事業化状況報告が3段階以下

減点は自分では変えられない場合もあります。ただ、当てはまるかどうかを知っておくと、内容面でどこまで補う必要があるかの見通しが立ちます。

ステップ5:審査項目2〜5に一つずつ答えているか

ここからが評点の部分です。公募要領の審査項目を要約すると、次のとおりです。

  • 審査項目2「経営力」:経営目標が具体的か。外部環境と社内の資源を分析したうえで戦略を立てているか。会社全体の売上に対して、この事業の売上がどの程度の水準か。
  • 審査項目3「事業性」:付加価値額(売上から外部への支払いを除いた、自社が生んだ価値)と賃上げの目標値、その実現可能性。課題と解決策の明確さ。市場の規模・動向の分析。顧客にとっての価値、狙う顧客層、ニーズの検証。競合の分析と差別化。
  • 審査項目4「実現可能性」:技術力。社内外の体制、財務状況、資金調達の見込み。進め方とスケジュール。費用対効果と、補助対象経費との整合。
  • 審査項目5「政策面」:地域経済への波及、複数事業者の連携、デジタル・低炭素などによるイノベーション、成長と分配、米国の追加関税の影響。

グローバル枠は、海外展開の体制・市場調査・国内の地域経済への寄与・マーケティング戦略も審査されます。大幅賃上げの特例を申請する場合は、審査項目6として賃上げ計画の具体性・継続性・人材育成が加わります。

点検のしかたは単純です。審査項目の見出しを紙に書き出し、申請書のどの段落がそれに答えているかを線で結びます。どこにもつながらない見出しがあれば、そこが補う候補です。たとえば「市場の規模・動向」が根拠の数字なしで書かれている、「競合との差別化」が一文で終わっている、といった点が見つかることがあります。

ステップ6:加点を取りこぼしていないか

加点は、要件に合う場合に限り、最大6項目まで申請できます。第23次公募要領が挙げる加点は15項目で、経営革新計画、パートナーシップ構築宣言、DX認定、健康経営優良法人、事業継続力強化計画、えるぼし、くるみん、地域別最低賃金の引上げなどがあります。

前回の申請時に取得していなかった認定でも、次の締切までに準備できるものがあるかもしれません。ただし、要件を満たしていない加点を申請すると虚偽にあたります。また、賃上げの加点は達成できなかった場合に減点(ステップ4の3)につながるので、実現できる計画かを確かめてから選んでください。

ステップ7:口頭審査の決まりを守れるか

書面審査で一定の基準を満たした申請者は、約30分の口頭審査を受けます。対応できるのは申請事業者本人(法人の場合は代表者)1名だけで、コンサルタントなどの同席・対応はできません。接続不良、本人確認ができない、同席が見つかった場合は、不採択の扱いになります。

前回、口頭審査まで進んで不採択だった場合は、事業計画を自分の言葉で説明できたかを振り返ることも見直しの一つです。

なぜこの順番なのか

ステップ1〜4は、内容がどれだけよくても結果を左右する「入口」の条件です。ここに問題があると、計画を磨いても効果が出にくくなります。ステップ5〜6は、ほかの申請と比べて評点を積み上げる部分です。ステップ7は書面の後の手続きです。

不採択の理由が開示されない以上、入口の条件から順に消していくと、残った候補が「内容の評点」に絞られます。申請書のすべてを書き直すのではなく、答えが薄い審査項目だけを補う方針が立てやすくなります。

次にとる行動

  1. 次に応募する公募回の公募要領を入手します。審査項目や加点の一覧は回によって変わることがあるので、前回の公募要領のまま進めないでください。
  2. ステップ1〜4を確認し、当てはまる点があればメモします。
  3. ステップ5の対応づけを行い、答えが薄い審査項目を3つ程度に絞ります。
  4. その項目に、数字の根拠や具体的な説明を足します。

今ある申請書を活かし、足りない部分を補うことで、採択に近づける可能性があります。


不採択だった申請書の無料診断(直すべき点をお返しするサービス)を準備しています。受付の開始は、このサイトでお知らせします。

当メディアは、記事で紹介した制度の事務局・官公庁とは関係がありません。

出典

いずれも取得日は2026年10月2日です。

記事一覧から、制度ごとのガイドとチェックリストを読めます。

申請書の受付は準備中です。受付の開始は、このサイトでお知らせします。